はじめに
手すりは、床や通路または階段が急傾斜し、隣接して別の階がある場合に、1つの階から別の階に人が落下する事故を防止するガードとして建物で一般的に使用されます。 自動車や産業用車両が通行する危険な場所から歩行面を分離する目的にも同様に、手すりは歩道に沿って使用されます。
枠設備に組み込む充填パネルとしてガラスを手すりに含めることが可能であり、また全面ガラスで手すりを構成することも可能です。 ガラスが衝撃を受けたり、破損したりするときに、場合によっては長時間にわたり、また荒天時にもガラスはその破片を保持する(飛散防止)ことが絶対的に必要です。 人が即座に危険なエリアから離れ、そのエリアの通行を回避する予防策が講じられるまでの間、ガラスは組み込まれた状態を維持する必要があります。そのため、安全合わせガラスは手すり用途によく適しています。
以下の2種類のガラス製手すりを検討できます。
1. 充填部品としてガラスを使用する手すり: ガラスを枠に取り付けます。ガラスに衝撃が加えられる場合、ガラスは確実に枠設備内に保持されることを設計で保証する必要があります。標準的な安全合わせガラスがこのような用途に適していると考えられます。
2. 構造部品としてガラスを使用する手すり: この場合、ガラスは破損後にその破片を保持し、障壁として組み込まれた状態を維持する必要があります。 ガラスのサイズ、荷重、ガラス設備の詳細を考慮に入れた適切な設計によって、このような要件を満たすことが可能です。
適した製品
イーストマンは手すり用ガラスの設計に利用されている数多くの中間膜製品を販売する豊富な経験を備えています。
構造ガラスを用いる手すりに適した合わせガラス中間膜として、イーストマンはSaflex®Structural中間膜(高硬度中間膜)を用意しています。 これは、剛性と高いガラス接着性が要求される用途向けに設計された強固なポリビニルブチラール (PVB) 中間膜です。
この製品の利点は以下のとおりです。
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構造ガラス用途に適しています。
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高硬度PVBによるガラス破損後の安全性(破損後のガラス形状維持)
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高いガラス接着性
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剥離のリスクを低減する優れた小口露出耐性
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薄いガラスを用いた構成を可能にする中間膜強度の向上
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その他中間膜との互換性(カラー膜など)、多層構造化
Saflex Structural中間膜(高硬度中間膜)の他、手すり用の他の製品として、下記製品群もご利用いただけます。
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Saflex Structural(高硬度中間膜):構造強度が必要とされる、床、階段、フィン、手すり、ガード、天蓋用途向けの合わせガラス構成に利用することが可能です。
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Saflex High Protection (HP) & Saflex Storm(保護およびストーム中間膜):熱帯性低気圧やハリケーンなどの暴風、および強風で運ばれる飛来物に対する防護を強化する必要がある場合に利用することが可能です。
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Vanceva® (カラー中間膜): アーストーンコレクションおよびVancevaカラー中間膜は、ファサードや手摺り、またはインテリアガラスとして使用する色を広範囲の色調の中から選択することが可能です。 ガラスそのものの色調コントロール(厚みなど)、または(小ロットや、まとめ生産における)カラーガラスの生産リードタイム、カスタム設計カラーガラスの大量ロット購入などを解決するソリューションを提供致します。カラー中間膜を活用することにより、お好みの色味の合わせガラスニーズにおける小回りを利かせた対応が可能となります。
さらに、上記各種中間膜を複数組み合わせて使用することにより、ガラスシステム全体の性能を向上し、手すりの性能の最適化に役立てることが可能です。